請求書を出した得意先から、振込手数料分だけ引かれて売掛金が入金されたときの仕訳を紹介します。

消費税の計算方式によっては、仕訳の作り方によって有利不利が出るので注意したほうがいいです。

売掛金から振込手数料を引かれて入金されたときの仕訳2種類

売掛金から振込手数料分が引かれて振り込まれた場合の仕訳は2通りです。

支払手数料を使う

一番イメージしやすいのが、振込手数料を請求書を出した側が負担したと考えて、支払手数料を使う仕訳です。

借方科目 金額 貸方科目 金額
普通預金 21,060円 売掛金 21,600円
支払手数料 540円
合計 21,600円 合計 21,600円

売上のマイナスとする

振込手数料が引かれて売掛金が入金されたとき、もう一つの仕訳の作り方があります。

借方科目 金額 貸方科目 金額
普通預金 21,060円 売掛金 21,600円
売上 540円
合計 21,600円 合計 21,600円

請求書を発行した時点で、「今回も売掛金から手数料分を引かれて入金される」と分かっています。

そうなると、最初から21,600円入金されるとは思っていないので、21,060円の請求をしたことと同じです。

それを仕訳で表現すると、売上のマイナスとなるわけです。

個人的には、支払手数料を使うよりも、売上のマイナスとする仕訳のほうが好きですね。

実際にATMで振込手数料を払ったわけでもないのに、支払手数料の金額がどんどん増えるのは違和感がありますので。

売上を大きく見せたいなら支払手数料で処理

仕訳はどっちでやってもいいです。もし、できるだけ売上を大きく見せたいなら、支払手数料を使って仕訳を作ったほうがいいです。

差し引かれた振込手数料相当も売上高に計上させるので、入金があった金額以上に売上を大きくできます。

融資を受けたり、新規取引先として認められたいなど、売上を大きく見せたい事情があるなら、支払手数料で仕訳を作るといいでしょう。

消費税的には売上のマイナスのほうが有利

会計ソフトでの仕訳入力は、手数料を使っても、売上のマイナスでも、どっちでやっても構いません。

さきほど説明したとおり、売上を大きく見せるために、支払手数料で処理してもいいです。

ただ、消費税の納税額を考えると、売上のマイナスとしておいたほうがいいケースもあります。

差が出るのは簡易課税のとき

消費税の計算方式は2つあります。

  • 原則課税・・・(預かった消費税)-(支払った消費税)
  • 簡易課税・・・(預かった消費税)*10~60%

2つの違いは、支払った消費税を考慮して計算するかどうかです。

簡易課税の場合、売上で預かった消費税だけで計算するので、売掛金から引かれた振込手数料で納税額に差が出ます。

一方、原則課税では有利不利は基本的にありません。

まだイメージしにくくて大丈夫です。

どれくらい差があるのかチェック

消費税の有利不利がどれくらいあるか、具体的な数値で計算してみましょう。

さきほどの、21,600円の売上を1000件あり、全部540円の振込手数料が引かれたと想定します。

そうすると、年間売上は税込2,160万円、振込手数料は54万円です。

支払手数料で処理した場合

売上は税込2,160万円、支払手数料54万円です。

支払った消費税4万円を無視して、預かった160万円の10~60%を納税します。

売上のマイナスで処理した場合

売上は2,160万円から54万円を引いた2,106万円です。

ここに含まれる消費税156万円の10~60%を納税します。

差額は?

仕訳の作り方による差額は、4万円の10-60%です。10-60%は業種によりますが、最低でも4,000円、最高で2.4万円の差が出ます。

同じ取引なのに、納税額に差が出るって不公平ですよね?

だったら、損しないように売上のマイナスとして仕訳を作ったほうがいいと思いますが、いかがですか?

売掛金から振込手数料が引かれたときの仕訳、まとめ

売掛金から振込手数料が引かれたときの仕訳は、支払手数料を使って経費とする方法、売上のマイナスとする方法の2つです。

どっちで計算しても正しいのですが、消費税で損しないように売上のマイナスとするのが無難です。

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