今回は、司法書士事務所の経理というニッチなテーマです。司法書士がお客様から受け取る代金の中には、報酬はもちろん、立て替えた登録免許税や、郵送料の実費などが含まれています。そのため、売上、立替金、通信費などを請求書や領収書と連動させて仕訳を作成する工夫をすると経理が楽になります。

司法書士事務所の経理を効率化した実例【請求書や領収書と仕訳が連動】

今回、司法書士事務所というニッチなテーマとしたのは、経理の効率化に実際に取り組んだからことがあるからです。司法書士さん、事務員さん、司法書士事務所を顧問先に持つ税理士事務所の関係者に読んでほしいと思っています。

司法書士の経理処理

司法書士事務所の経理で面倒なのが、収入の仕訳です。請求額120,344円の次の領収書1枚でも、経理で使う情報は一つではありません。

税込報酬(①+⑤)・・・売上高75,600円
登録免許税等(②)・・・立替金50,000円
郵送料(③)・・・通信費870円
源泉所得税(⑥)・・・仮払金6,126円

会計ソフトで仕訳入力する場合、複合仕訳や振替伝票という呼び方をします。次のような仕訳となります。

司法書士と税理士の連携に無駄が多かった

この司法書士事務所は、もともと別の税理士事務所に経理と申告を依頼していました。そのときは、司法書士事務所から税理士事務所へは次のように資料を提出していました。

↓通帳コピー(イメージ)

↓領収書や請求書のPDFファイル

通帳に記載があるATM入金額だけでは正しい経理仕訳ができません。そのため、税理士事務所は1年分の請求書や領収書を全てPDFで用意するように司法書士にお願いしていました。

これが大きな負担となっていました。

年間100枚超の書類を1枚1枚PDF化してメール送信する、これは面倒です。また、本業に使える時間をかなり無駄にしています

司法書士の時間を削ってまで準備してもらった100枚超の領収書と通帳コピーを見ながら、税理士事務所側では1件ずつ手入力していました。そのため、利益や税額を計算するのに全ての時間とエネルギーもつぎ込んでいました。その結果、節税や経理改善の提案は一切なかったそうです。

請求書と領収書と経理をつなぐエクセルテンプレートで効率化

縁あって、税理士変更のタイミングで、私が顧問税理士として関与させていただくこととなりました。まず、データのやり取りに無駄が多過ぎると感じました。

そこで、見積書と請求書と領収書を作成するエクセルシートを作成してお渡しし、データを集める改善案を提案しました。司法書士業務と経理を連結させるイメージです。

1.入力シート(データベース)

今までもエクセルで見積書も請求書も領収書も作成していたのですが、下の図のようにいろんな場所にファイルが保管されていました。

これだと、1枚1枚印刷やメール添付するしかありません。そこで、見積も請求も領収もデータは1枚のエクセルシートにまとめるようにしました。

この入力シートはデータベースです。データが集まっているので司法書士事務所にとって経理が楽になります。

・見積書、請求書、領収書がエクセル1枚で作成できる
・税理士事務所に提示する領収書データはこのエクセル1枚

書類を100枚準備する、1枚準備する、1枚のほうが楽ですよね???

2.出力シート(印刷用)

入力シートは内部管理用、出力シートは外部提出用です。入力シートに入力した請求先名や金額は、一番左の「番号」を出力シートで使います。

あとは、司法書士業務内容や郵便料金内訳などを整えれば完成です。

3.仕訳作成シート

残りのシートは、すべて税理士事務所で使うもので、司法書士事務所はタッチしません。司法書士の本業に関係ない部分は手間がかからないようにすべきだからです。入力シートと連動しているので、税理士事務所側で会計ソフトにインポートして仕訳を作成します。

↓仕訳作成シート「税込売上」

ちなみに、複合仕訳(振替伝票)を使うと、インポートや修正が面倒になるので、「複合」という勘定科目を使って単一仕訳としています。複合仕訳(振替伝票)は経理が複雑になるので、楽をするためにオススメできません。

改善されたこと

この改善策により、司法書士事務所も税理士事務所も経理が効率的に進むこととなりました。

司法書士・・・100枚以上PDFで送る必要なくなった
税理士・・・PDFを見ながら手入力する必要なくなった

司法書士事務所の経理効率化した実例【請求書や領収書と仕訳が連動】、まとめ

今回、司法書士事務所の経理効率化した実例を紹介しました。司法書士に限らず、すべての事業主に共通して言えることは、経理などの事務に時間をたくさん使うのは無駄だということです。付き合っている税理士事務所と効率的な連携ができているか見直してみてはいかがでしょうか?

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